集患と継続通院では、取り組む課題が違う
新患を増やすには、医院を知ってもらい、受診先として検討してもらう必要があります。
GoogleビジネスプロフィールやHPの整備、SNSの発信、広告などは、そのために使う方法です。
一方、来院した患者さんが必要な通院を続けられるかどうかは、診療時の説明、予約の取りやすさ、日々の対応などにも関わります。
新患が少ないという課題と、次回の受診につながらないという課題は、分けて考えたいところです。
同じ「患者数」の話でも、見直す場所が違います。
新患が増えても、来院後の課題は残る
広告で新患が増えると、結果が出たと感じられます。
ただ、その人たちの必要な通院が途中で途切れているなら、来院後の状況も確認する必要があります。
予約が取りにくいのか。次の受診が必要な理由が伝わっていないのか。費用や期間への疑問が残っているのか。
ここを見ずに広告を追加すると、同じ課題を抱えたまま、新患の獲得を続けることになります。
私は、一度来てくれた患者さんが、安心して必要な受診を続けられることを重視したいと考えています。
続けて通える条件は、来院後に分かることもある
初回の診療だけでは、患者さんの生活上の事情や、不安をすべて把握できるとは限りません。
実際に通ってみて、仕事の予定と合わないことが分かる。説明を聞いた後に、費用について疑問が出る。次回の予約を取ろうとして、希望する時間が選べない。
こうしたことも考えられます。
医院側が「説明した」「予約方法を案内した」と思っていても、患者さんが理解できているか、無理なく利用できるかは別に確認したいところです。
質問しやすい機会をつくり、通院上の困りごとを聞けることも大切だと思います。
すべての再来院のなさを、離脱と扱わない
来院が途切れた理由は、医院への不満だけとは限りません。
治療の完了、転居、紹介先への受診、本人の事情など、さまざまな理由があります。
そのため、再来院しなかった人を一律に離脱と数えると、実際の課題が分かりにくくなります。
次回の受診が必要だった人について、予定された時期に受診できているかを確認する。そのうえで、分かる範囲で理由を整理します。
継続通院の目的は、通院回数を増やすことではありません。必要な受診が、不安や不便さによって途切れていないかを確かめることです。
自院に合う方法を選び、説明を整える
通いやすさを改善する方法は、医院によって異なります。
Web予約を導入する、変更方法を分かりやすくする、空き枠を案内する。取り組める方法はいくつもあります。
ただし、他院と同じ仕組みをすべて取り入れる必要はありません。
一人ひとりの診療時間を確保する方針があるなら、その理由を伝えながら、予約の不便さを減らす工夫を考えます。
自院でできること、できないことを理解し、患者さんにも見通しを伝える。競合分析と同じように、背景まで考えて判断したいところです。
集患の改善と、来院後の改善を一つずつ決める
毎月の振り返りでは、二つの課題を分けて整理してみましょう。
| 改善する場面 | 取り組みの例 |
|---|---|
| 来院前 | 基本情報の更新、初診案内の追加、予約導線の修正 |
| 来院後 | 次回受診の説明、予約変更の案内、通院上の疑問の確認 |
新患が増えないときは、医院を知るところから来院までを確認する。必要な通院が途切れるときは、来院後の説明や予約を確認する。
まずは、それぞれ一つずつ改善することを決めてみると、取り組みを具体的にできます。
新しく来てくれる患者さんを増やすことと、一度来てくれた患者さんが必要な受診を続けられること。両方を見ながら、医院の情報発信と運営を整えていきたいと思います。



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