新患が増えたら、集患は成功なのか
新患が増えると、安心しますよね。広告や情報発信に取り組んでいれば、結果が出たことをうれしく感じると思います。
ただ、新患が増えたから、それで集患は成功したと言えるのでしょうか。
私は、来院後まで見なければ判断できないと考えています。
初めて来てくれた患者さんが、その後どうなったのか。必要な治療や定期的な管理につながっているのか。それとも、次の予約を取らずに来院が途切れてしまったのか。
ここを見ずに新患数だけで満足すると、患者さんが離れていることに気づかないまま、新しい患者さんを集め続けることになります。
予約枠が空けば広告を追加し、また新患を増やす。その繰り返しになっていないか、一度振り返ってみたいところです。
新患の獲得も大切です。しかし、一度来てくれた患者さんが、安心して必要な通院を続けられることにも目を向けたいと思います。
問い合わせ・予約・来院は、分けて考える
集患の結果を見るときは、問い合わせ、予約、来院を分けて記録すると、どこに課題があるのかを考えやすくなります。
問い合わせが増えても、予約につながっていないなら、希望日時が合わない、案内が分かりにくいなどの理由があるかもしれません。
予約が入っても来院につながっていないなら、キャンセルや無断キャンセルの状況、予約から受診までの期間などを確認する必要があります。
| 段階 | 確認したいこと |
|---|---|
| 問い合わせ | 何を知りたくて連絡したのか |
| 予約 | 問い合わせから予約につながったか |
| 来院 | 予約した人が実際に受診したか |
| 来院後 | 次の受診が必要な人が、継続して通えているか |
例えば「問い合わせは多いのに、新患が増えない」という場合、広告への反応と予約までの対応を分けて見る必要があります。
集計する際は、同じ人からの複数回の問い合わせをどう数えるかなど、記録のルールもそろえておきましょう。
人数を数えることに加えて、どの段階で進まなくなったのかを確かめることが、改善の手がかりになります。
来院後の継続通院まで、確認したい理由
初回の診療だけで、患者さんの悩みや通院上の事情をすべて把握するのは難しいと思います。
限られた時間の中で、患者さん自身もうまく言葉にできなかった不安があるかもしれません。費用や通院回数について、帰宅してから疑問が浮かぶこともあるでしょう。
「次も来てくれるだろう」と医院側が思っていても、患者さんにはまだ迷いが残っている可能性があります。
だからこそ、初回来院の人数だけでなく、その後の状況も確認したいところです。
- 次回の受診が必要な理由は伝わっているか
- 費用や通院の見通しを説明できているか
- 患者さんが質問できる時間はあるか
- 次の予約を無理なく取れるか
ただし、再来院しなかった人を、すべて「離脱」と扱うことはできません。
治療が完了した人、紹介先を受診する人、転居した人などもいます。次回の受診が必要だった人と、その必要がなかった人を分けて考えることが大切です。
継続通院を見る目的は、通院回数を増やすことではありません。必要な受診が途切れていないか、その理由を確かめることです。
広告費に対して、どんな結果が得られたのか
広告の成果を振り返る際は、新患数と費用を合わせて見る必要があります。
同じ人数が来院していても、かかった広告費が違えば、評価も変わります。
例えば、ある広告経由で来院した新患が10人、広告費が10万円なら、広告費だけで計算した新患1人当たりの費用は1万円です。
ただし、この数字を見るには、その患者さんが何をきっかけに来院したのかを把握する必要があります。
広告を見た後にGoogleマップやHPで調べて予約する人もいるため、最後に使った予約方法だけでは、来院のきっかけを判断しきれないことがあります。
初診時に「当院を何で知りましたか」と確認するなど、できる範囲で記録を残しておきたいところです。
また、広告経由の新患数が増えていても、必要な通院が途中で途切れているなら、広告の改善と合わせて来院後の対応も振り返る必要があります。
広告費をかけて何人集まったか。その人たちが、その後どうなったか。この両方を見て判断したいと思います。
数字を見るときに、私が大切にしたいこと
私は、新患数が増えたときこそ、来院後の状況を見たいと思っています。
新患を増やすことに力を入れても、一度来てくれた患者さんの必要な通院が途切れてしまえば、その課題は残ったままです。
その状態で広告を次々に追加する前に、なぜ次につながらなかったのかを考えたいと思います。
説明が十分だったのか。予約が取りにくかったのか。患者さんに不安や疑問が残っていなかったか。
もちろん、数字だけで理由は分かりません。患者さんの事情もありますし、医院側では解決できないこともあります。
それでも、来院後の状況を記録していれば、確認すべき点が見えてくるはずです。
新患が増えたことを喜びながら、その先も見る。集めることと、安心して通える環境を整えることを、両方大切にしたいと考えています。
まずは、毎月同じ項目を記録することから
最初から複雑な分析をする必要はありません。まずは、毎月同じ項目を記録するところから始めてみましょう。
| 記録する項目 | 見たいこと |
|---|---|
| 問い合わせ人数 | どの程度の関心が寄せられたか |
| 初診の予約人数 | 予約につながった人数 |
| 実際に来院した新患数 | 受診につながった人数 |
| 初診予約のキャンセル・無断キャンセル数 | 来院前に途切れた状況 |
| 来院のきっかけ | どの媒体や紹介を通じて知ったか |
| 広告費 | 集患にかけた費用 |
| 次回受診が必要な患者さんの予約・受診状況 | 必要な通院につながっているか |
継続通院は、受診間隔が患者さんによって異なります。月末の時点で再来院していないだけで離脱と判断せず、予定された受診時期に合わせて確認しましょう。
同じルールで記録を続けることで、前月との違いや、見直したい点が分かりやすくなります。
新患数は、集患の成果を見るための大切な数字です。そこに、予約までの流れと来院後の状況を加えることで、医院として取り組むべき課題をより具体的に考えられるようになります。



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